
後工程・パッケージ|チップを「使える形」にする
2026-08-10 ・ 入門
回路を作り込んだウェハは、まだ「使える部品」ではありません。切り出して守り、外とつなぐ後工程が必要です。
後工程の流れ
後工程のステップ
ダイシング
チップに切り分け
ボンディング
配線でつなぐ
封止
樹脂で守る
検査
良品を選別
ウェハから切り出した1個ぶんのチップをダイと呼びます。これを基板につなぎ、樹脂で封じ、外部の端子(ピンやボール)と結線して、ようやく基板にはんだづけできる部品になります。
昔は「地味」、今は「主役級」
かつて後工程は「前工程の後始末」くらいの位置づけでした。ところが微細化が難しくなり、複数のチップをうまくつないで性能を上げる先端パッケージが注目されるように。今や後工程は競争力の源泉です。
担うのは誰?
後工程を専門に受託する企業をOSAT(ASE・Amkorなど)と呼びます。近年はTSMCなどファウンドリも先端パッケージに力を入れ、境界があいまいになっています。
もう少し詳しく(背景)
パッケージング(後工程)は、作ったチップを保護し、外部とつなぐ工程です。かつては「チップを樹脂で包んで端子を付けるだけ」の地味な最終処理でしたが、今や性能を左右する主役級に格上げされています1。理由は、微細化が限界に近づき「1枚の大きなチップをどんどん小さくする」だけでは性能が伸びにくくなったから。そこで、複数の小さなチップ(チップレット)を一つのパッケージに賢く組み合わせる、あるいは**チップを縦に積み重ねる(3D積層)**ことで性能を稼ぐ方向へ移りました2。これが「先端パッケージング」で、AI向けチップでは、演算チップのすぐ隣に高速メモリ(HBM)を積んで、データのやり取りを速くする構造が主流になっています。メリットは、歩留まりの良い小さなチップを組み合わせられ、必要な部分だけ最先端技術で作れること。微細化という「縦の進歩」が鈍る中、パッケージングは「横の進歩」として、半導体の性能向上を支える新たな主戦場になっています。