
論理回路のきほん|スイッチが「計算」になるまで
2026-08-05 ・ 入門
トランジスタはただのスイッチ。それがどうやって「計算」になるのか。カギは論理回路です。
3つの基本ゲート
すべての計算は、たった数種類の論理ゲートの組み合わせでできています。
AND / OR
- AND: 両方が1のとき1
- OR: どちらかが1なら1
- スイッチの直列・並列で作る
NOT
- 入力を反転(0↔1)
- 1個のトランジスタ対で作る
- 他のゲートと組んで万能に
下のデモは、2つのトランジスタを直列につないだAND。両方ONのときだけ電気が通ります。
🎛️ トランジスタのスイッチで遊ぼう
2つのトランジスタを直列につなぐと「AND(両方ONで通電)」になります。押して光らせてみましょう
両方ONのときだけ電流が通り、出力が1になります。これが論理回路「AND」。半導体はこのスイッチの集まりです
いろんなゲートも試してみましょう。入力A・Bを切り替えると、出力と真理値表がどう変わるか一目でわかります。
🔌 論理ゲートビルダー
入力を切り替えて、ゲートが0と1をどう計算するか見てみましょう
両方が1のとき1
入力A
入力B
出力
A・Bのマスを押すと0↔1が切り替わります
真理値表(いまの入力の行が光ります)
| A | B | 出力 |
|---|---|---|
| 0 | 0 | 0 |
| 0 | 1 | 0 |
| 1 | 0 | 0 |
| 1 | 1 | 1 |
この小さな判断(ゲート)を何十億個も集めたものがCPUやGPUです。NANDだけですべての回路が作れます
省エネの主役「CMOS」
現代のデジタル回路はCMOSという方式。N型とP型のMOSFETをペアで使い、切り替わる瞬間しか電気を食わないのでとても省エネです。スマホやPCが電池で長く動くのはCMOSのおかげ。下のデモで、静止時はほぼ0Wで、電圧や周波数を上げると消費電力が増える様子を体感できます。
🔋 CMOSの省エネを体験
CMOSは「切り替わる瞬間」だけ電気を食う省エネ回路。動かして電流と消費電力を見てみましょう
電流計
ほぼ 0(静止中は電気を食わない)
1%(最大比・ざっくり)
止めると電流ほぼ0=待機中はほとんど電気を食いません。消費は電圧の「2乗」に効くので、電圧を下げるのが省エネの王道です
積み上げると頭脳になる
ゲートを組み合わせると、足し算をする回路(加算器)、記憶する回路(メモリ)、判断する回路ができます。これらをさらに集めると、CPUやGPUといった「頭脳」になります。
要するに
0と1のスイッチ → 論理ゲート → 計算・記憶 → CPU。半導体は「小さな判断の超巨大な集まり」です。
もう少し詳しく(背景)
論理回路は、トランジスタのスイッチを組み合わせて**「考える」動作を作るしくみです。基本部品が論理ゲートで、AND(両方が1なら1)、OR(どちらかが1なら1)、NOT(反転)といった単純なルールで0と1を処理します1。驚くべきことに、これらを組み合わせるだけで足し算・引き算からあらゆる計算までができ、しかもNAND(ANDの否定)という1種類のゲートだけで、原理的にすべての論理を作れる**ことが分かっています2。つまり、たった一種類の単純な部品を膨大に組み上げれば、CPUのような複雑な頭脳になる——これがデジタルの世界の美しさです。論理回路には、記憶を持たず入力だけで出力が決まる「組合せ回路」(計算)と、フリップフロップで状態を覚える「順序回路」(記憶・手順)があり、この2つを組み合わせて、計算と記憶の両方をこなすコンピュータができあがります。単純なルールの積み重ねが知能的な処理を生む、その出発点が論理回路です。