
CPUはどう計算するのか|"命令を取って実行する"サイクルのしくみ
2026-09-30 ・ 入門
パソコンやスマホの頭脳「CPU」。中では一体、何が起きているのでしょう? 実はCPUは、とても単純なことを猛烈な速さで繰り返しているだけ。そのしくみをやさしく解説します。
CPUは「命令を1つずつ実行する機械」
プログラムは、CPUへの命令の並びです。「この数とこの数を足せ」「結果をここに置け」といった単純な命令の列。CPUはそれを上から順に、1つずつ実行していきます。
フェッチ・デコード・実行のサイクル
CPUの基本動作は、3ステップの繰り返しです。
命令サイクル
フェッチ
命令を取ってくる
デコード
何をするか解読
実行
計算して結果を保存
メモリから命令を取り(フェッチ)、それが何の命令か解読し(デコード)、演算器で実行する。これを1秒に何十億回も繰り返します。
登場人物
なぜ速い?なぜ何コアもある?
クロックとコア
CPUの「〇GHz」は、命令サイクルを1秒に何十億回刻むかの速さ(クロック)。かつては周波数を上げて速くしていましたが、電力の限界で頭打ちに。そこで「コア(CPUの本体)を複数積んで並列に処理する」マルチコアへ。今のPCが何コアもあるのは、この歴史のためです。
メモリとの距離が速度を決める
命令もデータもメモリにありますが、メモリはCPUより遅い。だから間にキャッシュという速いメモリを挟んで、待ち時間を減らしています。「計算そのもの」より「データをいかに速く運ぶか」が、実は現代のCPU性能のカギです。
まとめ
- CPUは命令を1つずつ実行する機械
- フェッチ→デコード→実行のサイクルを高速で繰り返す
- レジスタ・ALU・プログラムカウンタ・メモリが連携する
- 周波数は頭打ちでマルチコア化。メモリとの距離が速度を左右
もう少し詳しく(背景)
CPU(中央演算処理装置)は、コンピュータの"頭脳"ですが、やっていることは意外と単純の繰り返しです。命令を読む→解読する→実行する→結果を書く、という基本サイクルを、猛烈な速さで延々とこなしているだけ(フェッチ・デコード・実行)1。1秒あたり何十億回(GHz)というクロックに合わせて、この歯車が回っています。速さの秘訣は主に3つ——クロックを上げる、1回により多くの仕事をさせる、そして並列化(複数のコアで同時に処理する)です。かつては微細化でクロックをどんどん上げられましたが、発熱の壁でそれが頭打ちになり、今は「コアを増やす」方向が主流になりました2。さらに、よく使うデータを手元に置くキャッシュや、命令を先読みして流れ作業のように処理するパイプラインなど、あの手この手で効率を上げています。単純な論理回路の膨大な集まりが、これほど賢く速く動くのは、こうした工夫の積み重ねの結果です。
次の一歩
演算器の中身はNANDから全加算器、記憶はフリップフロップ、速さの工夫はキャッシュのしくみへどうぞ。