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露光とEUV|半導体を「光で描く」しくみ

2026-08-08 ・ 入門

#EUV#露光#リソグラフィ#High-NA

微細化の主役は「光で回路を描く」技術、**露光(リソグラフィ)**です。ここが半導体づくりの一番の勝負どころ。

光でパターンを焼きつける

回路の設計図を描いた**マスク(原版)**に光を当て、レンズで縮小してウェハの感光材に転写します。写真の引き伸ばしの逆で、大きな原版を小さく焼きつけるイメージです。

光でウェハに回路の「型」を焼きつけるEUV光源波長13.5nmマスク(原版)レンズ/ミラーウェハ回路が焼ける
図: EUV露光は波長13.5nmの光でごく細かい回路を焼く。次世代のHigh-NAはさらに小さく描ける

← 図は横にスクロールできます →

細い線には短い波長が要る

細い線を描くには、波長の短い光が必要です。長く使われた紫外線(DUV)では限界に近づき、登場したのがEUV(極端紫外線)。波長わずか13.5nmの光で、より微細なパターンを描けます。

🌱

ASMLの独占

EUV露光装置を作れるのは、オランダのASMLただ1社。1台100億円以上、部品は世界中から集めます。だから半導体の地政学でも超重要な存在です。

次世代「High-NA EUV」

さらに小さく描くための次世代がHigh-NA EUV。光を集める力(開口数NA)を0.33→0.55に高め、1回で描ける最小寸法を13nm→8nmに縮めます。1台約400億円と非常に高価です。

🔬

13.5nm

EUVの波長

🎯

0.55

High-NAの開口数

💰

約400億円

High-NA装置1台

2026年時点では、Intelが世界で初めてHigh-NA EUVを使った量産ロジック製品を出荷し先行。一方TSMCはコストを理由に当面は採用を見送る構えで、戦略が分かれています。

📚 もう少し詳しく(背景)気になる人向け・タップで開く

露光(リソグラフィ)は、チップ製造の心臓部です。光を使って、設計した回路パターンをウェハに焼き付ける工程で、ここで作れる線の細さが、そのままチップの性能(トランジスタの数)を決めます1。問題は物理法則で、使う光の波長より細い線は原理的に描きにくいこと。

だから、より短い波長の光を求めて技術が進化してきました。その到達点が EUV(極端紫外線) で、波長わずか13.5nmという、もはやX線に近い光を使います2。ところがこの光は、空気にもレンズにも吸収されてしまうため、真空中で特殊な鏡を何枚も使うなど、装置は途方もなく複雑になります。

この最先端のEUV露光装置を作れるのは、事実上オランダのASML社ただ1社だけ。1台数百億円という価格でも各国が奪い合うほどで、この装置が地政学の焦点にもなっています。「どれだけ細く光で描けるか」の競争が、半導体の進歩そのものを引っ張ってきたのです。

つぎに読むなら

Footnotes

  1. 露光で描ける線幅がトランジスタの微細さ=集積度を決める。短い波長ほど細く描けるため、光源の波長短縮が微細化の歴史を牽引してきた。 ↩

  2. EUV(波長13.5nm)は空気やガラスに吸収されるため、真空中で反射鏡光学系を使う極めて複雑な装置になる。実用機を作れるのは事実上ASML1社で、供給が戦略物資化している。 ↩

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