
シリコンとウェハ|砂からチップの土台ができるまで
2026-08-03 ・ 超入門
半導体チップは、ほとんどがシリコンという材料からできています。その出発点をたどってみましょう。
原料は「砂」
シリコン(ケイ素)は砂や岩に大量に含まれる、地球でとても豊富な元素です。これを取り出して、とことん純度を上げます。半導体用は99.999999999%(イレブンナイン)という驚異的な純度が必要です。
なぜ高純度?
不純物がほんの少しでも混じると、電気の流れがくるってしまうから。半導体は「きれいさ」がいのちです。
大きな単結晶(インゴット)を育てる
高純度シリコンを溶かし、種結晶をつけてゆっくり引き上げると、原子がきれいに並んだ**単結晶の柱(インゴット)**が育ちます。太いソーセージのような形です。
薄くスライスして「ウェハ」に
インゴットを薄く輪切りにし、鏡のように磨いたものがウェハ。今の主流は直径300mm(12インチ)の円板です。
300mm
主流ウェハの直径
数百個
1枚から取れるチップ
11N
求められる純度
この1枚のウェハの上に、何百個ぶんもの回路を一度に作り込みます。大きいウェハほど一度にたくさん作れて、コストが下がります。
もう少し詳しく(背景)
チップの土台になるのが、シリコンの円盤「ウェハ」です。材料のシリコンは、実は砂(二酸化ケイ素)から作られるありふれた元素——地球の地殻に豊富にあります。それを極限まで精製し、原子がきれいに整列した単結晶の大きな塊(インゴット)に育て、薄くスライスして鏡のように磨いたものがウェハです1。なぜここまで純度と結晶の完璧さにこだわるかというと、わずかな不純物や結晶の乱れが、その上に作る微細なトランジスタの動作を狂わせるから。半導体製造は「原子レベルの精密さ」の世界なのです。ウェハが円いのは結晶を回しながら育てる製法によるもので、そこから四角いチップを切り出すため端に無駄が出ます。だから、より多くのチップを一度に作れるよう、ウェハは大型化してきました(現在の主流は直径300mm)2。1枚のウェハから数百〜数千個のチップが取れ、その歩留まりがコストを大きく左右します。