68.0兆円
半導体への官民投資額の想定(2040年度まで)
1兆2,390億円
経産省のAI・半導体関連予算(令和8年度当初)
11.5%
政府がラピダスに持つ議決権(2026年2月時点)
このページの読み方
金額は「どの段階の数字か」で意味が変わります。概算要求は各省が財務省に出した希望額で、まだ決まっていません。当初予算は国会で成立した年度の予算、補正予算は年度の途中で追加された予算です。官民投資額の想定は、国と民間を合わせた今後の投資の見込みで、予算として確定した金額ではありません。このページでは、数字のそばに必ず段階を書いています。
いま動いている主な方針
戦略17分野の官民投資ロードマップ(2026年7月21日・日本成長戦略本部決定)
国が重点を置く17分野ごとに、「何に」「いつまでに」「どれくらい」投資するかをまとめた工程表です。半導体は「AI・半導体」分野の中で、「フィジカル・インテリジェント・システムの中核を担う半導体」として取り上げられ、官民投資額は2040年度までで68.0兆円と想定されています。17分野・62の製品や技術を合計すると、2040年度までの累計で370兆円超という想定です。
AI・半導体産業基盤強化フレーム(経済産業省の予算の枠組み)
AIと半導体への公的支援をまとめて管理する予算の枠です。令和8年度(2026年度)当初予算では、経産省のAI・半導体関連が1兆2,390億円(前年度当初は3,328億円)と大きく増えました。
ラピダスへの政府出資(2026年2月27日・経済産業大臣会見)
次世代半導体の量産を目指すラピダスに対し、政府と民間が2026年2月26日までに総額2,676億円を出資しました。内訳は、情報処理推進機構(IPA)を通じた政府出資が1,000億円、民間企業を中心とした32社が1,676億円です。政府が得た議決権は11.5%です。
国の体制とお金の全体像
半導体の支援は経済産業省が中心で、AI政策(内閣府の人工知能基本計画)とも結びついています。支援の手段ごとに整理すると、次のようになります。
| 支援の手段 | 中身 | 主なお金 |
|---|---|---|
| 出資 | 国が株主になって量産を後押しする | 次世代半導体の量産等に向けた出資事業 1,500億円(令和8年度 当初予算)。ラピダスには政府が1,000億円を出資済み |
| 研究開発の委託・補助 | 先端半導体やAI向けチップの技術開発 | ポスト5G基金事業 6,738億円、省エネルギー半導体関連技術開発 60億円、省エネAI半導体の技術開発 30億円(いずれも令和8年度) |
| 設計・製造の基盤づくり | 設計や製造の環境を国内に整える | 半導体設計・製造基盤整備事業 988億円(令和7年度 補正予算) |
| 債務保証 | 事業者が民間から資金を借りやすくする | 債務保証のためのIPA出資金 320億円(令和9年度 概算要求・新規) |
研究開発だけでなく、出資や債務保証といった「お金の出し方」を組み合わせているのが、いまの半導体政策の特徴です。
主な事業とお金の動き
| 事業 | 金額 | 段階 |
|---|---|---|
| AI・半導体関連(経産省の合計) | 1兆2,390億円 | 令和8年度 当初予算 |
| ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業 | 6,738億円 | 令和8年度 当初予算 |
| 次世代半導体の量産等に向けた出資事業 | 1,500億円 | 令和8年度 当初予算 |
| 省エネルギー半導体関連技術開発事業 | 60億円 | 令和8年度 当初予算 |
| 半導体設計・製造基盤整備事業 | 988億円 | 令和7年度 補正予算 |
| ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業 | 1,537億円 | 令和7年度 補正予算 |
| AI・半導体産業基盤強化フレーム(経産省の合計) | 5,272億円 | 令和9年度 概算要求 |
| ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業 | 3,706億円 | 令和9年度 概算要求 |
| 半導体設計・製造基盤整備事業 | 908億円 | 令和9年度 概算要求 |
| 次世代半導体事業者への債務保証のためのIPA出資金(新規) | 320億円 | 令和9年度 概算要求 |
令和9年度(2027年度)の数字は概算要求の段階で、年末の予算編成で変わる可能性があります。
直近の決定
- 2026年2月27日 経済産業大臣が、ラピダスへの出資(総額2,676億円、うち政府1,000億円)の実行を公表
- 2026年4月7日 経産省が令和8年度当初予算の概要を公表(AI・半導体関連 1兆2,390億円)
- 2026年7月14日 新しい人工知能基本計画を閣議決定。半導体は、フィジカルAIなどを支える中核技術と位置づけ
- 2026年7月21日 日本成長戦略と、戦略17分野の官民投資ロードマップを決定(半導体は2040年度までで68.0兆円の想定)
これから見るポイント
- 令和9年度予算の編成で、概算要求の金額がどこまで認められるか
- 新規に要求されている「次世代半導体事業者への債務保証」の扱い
- 官民投資ロードマップは、決定後も見直しを続けるとされています
読み手別のひとこと
- 学生の方へ:国の支援は「設計」「製造」「装置・素材」まで広く対象にしています。半導体のサプライチェーンを見ておくと、どこにお金が向かっているかが分かりやすくなります。
- エンジニアの方へ:予算の大きな柱は、先端ロジックの量産と、その先のAI向けチップです。技術面は2nm競争2026にまとめています。
- ビジネスの方へ:「予算」と「官民投資額(想定)」は別物です。後者は民間の投資見込みを含む数字なので、補助金の規模として読まないよう注意が必要です。
